わたしのたからもの~feel fine since 2000×MAJIME ZINE ~ 洋子編 /第2号寄稿vol.3

わたしのたからもの~feel fine since 2000×MAJIME ZINE ~ 洋子編 /第2号寄稿vol.3

この記事は紙媒体のZINE第2号に掲載したものです。今回のテーマは「たからもの」。feel fine since 2000の洋子 さんによる寄稿文です。

私の今の宝物は「高校3年の体育祭での経験」である。これは自分にとって新しい挑戦だったから。そして、私のアイデンティティーに関わっているから。

当時の私はよく、アイドルのインタビューを読んでいた。彼女たちは「なぜアイドルになろうと思ったのですか?」という質問に対して、「今までの自分を変えて、新しい自分になりたいと思ったから。」という旨の回答をしていた。当時の私は、自分を変えたいと思って何か行動を起こす人が思っていたよりも大勢いることに驚いた。

そして、新しい自分についてぼんやりと考えるようになった。
その矢先に、体育祭の幹部を決める機会があって、友達に推薦されて私はデザインのリーダーになった。団のTシャツや旗をデザインする役職である。当初は、今まで経験したことのないことや苦手なことだらけで不安だった。
けれど、落ち着いて考えてみると、これは私にとって新しい挑戦だということに気づいた。あのアイドル達が考えていることに比べると規模が小さいけれど、これをやり遂げると新しい自分に出会えるかもしれないなと思ったし、その点でラッキーだった。自分を変えたいと言っている人たちの気持ちが少し分かった気がした。

アイドルのインタビューを読んでから体育祭を終えるまでの数か月間を経て、好きなことでもそうでなくても、新しい挑戦は自分の考え方や行動に良い影響を与えるし、なんでもとりあえずやってみようという考え方が私のアイデンティティーに加わった。私はこの考え方をとても大切にしている。そして、新しい自分を見つけることが楽しみになった。

私のこれからの宝物は自分について考える瞬間。

最近は自分について考えることを怠っている。
理由は忙しくてぼーっと何かを考える時間が減ったから。そして、いくら自分について考えたってわからないのが当たり前だと気づいたからである。

中高生の時はよく自分について考えていた。そして、大人になってアイデンティティーについて考えるのはかっこ悪いという傲慢すぎる考えを持っていた。でもその考えを持っていた自分は大バカ者だ。
大学生になった今、その当時から変わらない部分や大きく変わった部分がある。きっと歳をとってからもそれは同様。だから考え続けたいし、考え続けないとダメになる気がする。

たしかに自分について考えても何もわからない。けど自分の良いところも悪いところもわかって、人に優しくできて、自分のやるべきことがわかる。良いことだらけ。それに自分自身について考えると脳みそがフル稼働している感覚を味わえる。これが心地いい。

第2号『マジメが手探り、マジメの手触り』(2020/10/3発行)に掲載。

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洋子 (feel fine since 2000)

大阪在住の大学生。「ミーハーっぽいことをする」ことにハマっている。
feel fine since 2000:2000年生まれの大学生、アユミ(イラスト右)と洋子(同左)によるweb magazine site。

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