CLOTHES AND ME /第2号寄稿vol.6

CLOTHES AND ME /第2号寄稿vol.6

この記事は紙媒体のZINE第2号に掲載したものです。今回のテーマは「服」。おはな さんによる寄稿文です。

🌼何?

色、サイズ感・素材・組み合わせ・服飾のどれも「自分好み」を表現したものだと思う。たとえ、この服にこだわりがある!ではなくとも。この服は私らしくないな、こっちにしよう!といった選択であったとしても。

🌼正解がある?

この質問をしたらほとんどの人が「ない」と答えるだろう。
しかし、私には正解があるように思えてしまう。

それには2つの理由がある。

1つ目は、“おしゃれの基本”“定番かわいい”“神コーデ”などの文言が一体となっているから。これらの言葉は雑誌や記事のタイトルでよく目にする。もちろん、人々を引き付けるための文言ではあるが、どうしても模範解答を示されているようにしか見えない。模範解答を出したら答えが似てしまうという現象は勉強などでも生じているだろう。それと同様に、ファッションも正解が決定されてしまっているのではないかと違和感を抱いている。

2つ目は、なぜかそれぞれの色や素材、柄には相性がいいものが決まっているから。自由に合わせたらいいとはいえ、法則のように相性が決まっているのだ。私は、洋服屋さんでアルバイトをしている。そこでは、洋服を売るために服一つ一つのメリットを把握することが求められている。そのメリットとしては、「トップスであればどのようなボトムスに合うのか」「今年らしさがある合わせ方」などがある。服をお勧めすると同時に合わせ方などファッション全体を提供するのが当たり前の場である。
そして、洋服屋さんで服をお勧めしている身ではあるが、「自分好み」を尊重したい気持ちを持ちながらも法則のように決まっている相性を知識として披露しており、自身の気持ちとは反する行動をとっていることに窮屈さを感じる。

🌼難しい! だからこそ 楽しい!

最初に、「自分好み」が表現されたものだと一言で述べたが、決して容易なことではない。「自分好み」が表現されたファッションは理想である。

しかし、気に入った服を手に入れることが難しい、自信が持てないといった現実がある。例えば、あなたが思う素敵な人が着ている服に魅力を感じることはないだろうか。その服が欲しいと思っているようであり、その人が着ているという部分に魅力や価値があると思うのだ。
 つまり、服を手に入れたとしても自身の身に着けると魅力を感じなくなってしまい、服の全てを手に入れることが難しいといえる。そして、他者から見たときにどのような印象を与えているのか、流行から外れているのではないかなど気になってしまうとファッションに自信を持てなくなってしまう。

理想と現実の狭間でファッションについて頭を使って、悩んで、試して……今日のファッションはなかなか好みだな!!自分らしい!と思う日は自然と気分が上がるものである。さらに、人に褒められた時には嬉しい気持ちになる。難しいからこそ、楽しいからこそ繰り返し悩んで試して…。
そして「自分好み」は変化していく。

🌼ファッションは 魅力的 である。

ファッション=「自分好み」は、繰り返し悩みながらも楽しみ、自身の変化や自分らしさが時間を経て表出した結晶でもあるから。「自分好み」を表現する手段の一つとして、とても強い味方であり続けるから。

第2号『マジメが手探り、マジメの手触り』(2020/10/3発行)に掲載。

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おはな

京都在住。大学では看護を学んでいる。 アパレルでアルバイトをしている。フルーツが大好き!

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