「想いを紡ぎ、音楽を織る」 作詞作曲学生マッチング音楽イベント【Anone “Lyric” Project】

「想いを紡ぎ、音楽を織る」 作詞作曲学生マッチング音楽イベント【Anone “Lyric” Project】

今回インタビューするのは、早稲田大学2年の仲真吾さん。仲さんは「Anone Project」という学生団体で、「Anone “Lyric” Project」という音楽イベントの責任者を務めています。

Anone Projectとは

「Anone Project」は学生がだいすきな人に「ねえねえ、あのね」と溢れる夢やワクワクを語ると時と同じ感覚になれる場所をつくるためにイベント開催などをしている学生団体です。熱い想いを持った、仲真吾さんをはじめとする大学生4人で運営。

―「Anone Project」が行ってきた活動について教えてください。

2021年の2月にビジネスマッチングコンテスト「ANONE AWARDS 2021 Spring」を開催しました。学生起業家が、事業や作りたい未来をプレゼンし、社会人起業家がフィードバックし合うというのが概要です。学生起業家が掲げる「未来」への支援と、その姿がまた他の誰かの夢を後押しにつながることを目指して開催しました。

「ANONE AWARDS 2021 Spring」当日の様子

現在は8月の音楽イベントに向けて準備をしています。

「Anone “Lyric” Project」は、言葉にできない想いを曲に乗せて、誰かに伝える学生の背中を押す、あたたかい音楽イベントです。作詞したい学生と作曲したい学生を、想いへの共感をもとにマッチングし、想いを曲にして世の中に届けることをサポートします。

心にあるけどなかなか口に出せない「想い」をもつ全国の学生。そんな学生が音楽を通して「想い」を届ける。作詞に挑戦する学生と作曲に挑戦する学生のマッチング音楽イベント

「Anone Project」公式HP は こちら

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Twitterは こちら

「Anone “Lyric” Project」とは

―今回、仲さんがご自身のアイディアで発案されたんですよね。立案に至った経緯を教えていただけますか。

このプロジェクトを企画した理由としては2点挙げられます。

1点目は、大学で色んな学生と話す中で、人に言えない想いやモヤモヤを持っている人が多いということを実感したからです。大学生って、子どもと大人の狭間みたいな時期ですよね。親への想いとか、学業や私生活から、将来のことまで、悩みは様々。それらが風化してしまうのは、もったいないと感じます。学生の今だからこそ持てる気持ちを発信できるイベントがあればいいなと思って、企画を発案しました。

2点目は、僕の高校時代の実体験によるものです。僕は高校の時、軽音楽部でバンドを組んでいて、自分たちで作詞・作曲をしてライブで披露していました。その時、自分たちの作った曲を友達とかが聴いて、「曲を作っていること自体、なんかカッコつけてね?」というような冷やかしがあったんです。そんな言葉で片付けられてしまうことを非常に残念に思いました。折角想いを曲に乗せて具現化したのに、それが届かないのは勿体ない。音楽に想いを乗せて発信することの喜びを伝えられるイベントが欲しいというのを、高校生の頃からずっと思っていたんです。

―モヤモヤを抱える学生が発信する機会があった方がいいという発想があったのですね。発信する手段として、なぜ「曲」を選ばれたんでしょうか。

音楽という媒体 その重層性、贈り物として

音楽は他の媒体よりも受け入れられやすいものだと思うからです。ただ文章にして発信するより、メロディーに乗せることによって、聴く人も受け入れやすくなるというか。そういう力が曲にはあります。言葉だけのものとは違って、言葉がメロディーに包み込まれることで、飲み込みやすくなります。メロディーや曲調、言葉を発している人の雰囲気によって、曲の内容がより重層的なものになると思うんです。

―この曲だからこの想いが伝わる、というようなエピソードはありますか。

1つ目は、BUMP OF CHICKENの「beautiful glider」という曲です。この曲は、頑張る人を叱咤激励するのではなく、背中にそっと手を当てて支えてくれるような曲だと思います。「相手の気持ちを100%理解することはできない。それでも寄り添っていたい」そんな気持ちを感じ取れるから、僕はこの曲が好きなんです。言語化できない感情ってみんなあると思うんですが、曲を聞くことで、自分の感情が「こういうことだったのか」と実感できることがあります。それを強く感じた曲。頑張っている人が周りにいたら、この曲を届けてあげたいと思える曲でもあります。

2つ目は、僕が悩んでいる時に、友達から「この曲聴いてみろよ」とURLが送られてきたことがあって。送られてきた曲に勇気づけられて、今でもその曲が好きだったりするんです。ただ「大丈夫?」って言葉をかけるよりも、自分の気持ちを代弁してくれているような曲を贈るっていうのに、僕は魅力的に感じていて。曲にすることで、言葉以上のものがその人に伝わるのかな、と思うようになりました。

作詞が与えてくれるもの

―「作詞をする」という経験が与えてくれるものを何だとお考えですか。

まずは、自分の感情を言語化してみる機会になるということですね。自分の奥深くにある想いを、誰かに伝えるために言語化する機会ってなかなか無いと思います。それが作詞する意味に繋がってくると思います。

―どんな人に作詞部門に応募してもらいたいと考えているのですか。気軽に応募しちゃってもいいんですか。

ぜひ!僕、作詞のコンテストがあったら応募したいな、と思って調べたことがあって。調べると、作詞・作曲のコンテストはそれなりに存在しますが、レベルの高いものばかりで。プロを目指す人だけが応募するようなものしかなくて。音楽を始めたての人にとっては敷居の高いコンテストしか無いということを痛感しました。誰でも参加できるコンテストがないなら、自分で開催してみよう、となりました。

作曲も想いのある人に

―では作曲はどうなんですか?

知人から、作曲ができても作詞が苦手な人もいるという話を聞きました。作曲のできない人と作詞の苦手な人をうまくマッチングできたら、イベントからいろんな想いが生まれるだろうと思い、作曲も学生から募集することにしました。作曲は、作詞よりちょっとハードルが高いかもしれませんが、それでも「曲にしたいんだ!」っていう想いを持った人にぜひ来て欲しいです。

発信のハードルを下げる

―仲さんは、音楽作りのどんなところに難しさがあると思いますか。

曲を作っても、それを発信することが難しい場合もある。僕自身も作った曲をライブで披露したりするのもかなり緊張したので。心理的なハードルがあって、曲作りに打ち込む勇気が出ないという人も一定数いるんじゃないかと思います。

―発信するには心理的なハードルがある人は、なぜ曲作りや発表を躊躇ってしまうのだと思いますか。

自分の想いに共感してもらえるかに対する怖さがあるのではないかと。曲は自分の内に秘めたものを形にしたものだからこそ、です。僕自身も高校のころ、不安に思うこともありました。なぜ自分が心理的ハードルを超えられたのかを振り返ると、バンドメンバーが「いいね」って言ってくれた経験が大きかったと思います。僕は運よくそういう友人に出会えたから曲作りができたけれど、そんな人たちと出会うのって難しいですよね。自分の想いに共感してくれる人が周りにいるという環境は、曲を作る上では大事だと思います。このプロジェクトでは、想いはあっても曲にして発信するには勇気が出ないという人に対して、その心理的なハードルを一緒に乗り越えられるように、サポートしたいです。

自身の原体験

イベントの立案には、仲さんの高校の頃の経験が大きく影響しているということを改めて感じました。高校時代のバンド活動で印象に残っていることはありますか。

恋愛とか受験とか、色々思い悩む時期にちょうどあったライブで、他のメンバーが、MCで曲に込めた想いをめちゃめちゃ熱く語った後、曲を披露するっていうのがあって。それは僕、感動しましたね。「音楽で想いを届けたいんだ!」という気持ちを目の当たりにして、衝撃を受けました。

―音楽と想いが一体だったんですね。作詞作曲した曲の背景には必ず自分たちの経験があったんでしょうか。

実体験を元に曲作りを行うことが多かったですね。その想いをバンドメンバーに共有して、じゃあこういうアレンジにしよう、というような感じでした。

今の自分と音楽 〜自分・他者とのコミュニケーションツール〜

−仲さんが音楽とどんな風に付き合っていらっしゃるのか気になります。

8個上の兄も音楽が好きで、小さい頃から音楽が自分の身近にあったんです。音楽が兄との一種のコミュニケーションツールだったり、自分の想いを代弁してくれるものだったりするな、というのを感じます。辛い時でも、楽しい時でも、悩んでいる時でも、音楽を聞きたいって思える。音楽を聴く時間は、自分の感情と向き合える大切な時間です。

―他者との、また自分とのコミュニケーションツールのような側面があるんですね。

その通りです。自分と向き合う時間、というのが、僕が曲を作る理由にも関係しています。感情をより自分らしく表現するために、自分でも曲を作ってみたいと思って、自分の言葉を相手にいかに伝えるかを具現化するために曲作りをやっている、という感じですかね。なんかカッコつけて言っちゃうんですけど。

まだまだ募集中!

―改めて「Anone “Lyric” Project」にかける意気込みをお願いします。

誰もが音楽を通じて自分の想いを届けられる場所を作ります。些細なことでいいので、ありのままの気持ちを、等身大の言葉で表してもらえたら嬉しいです。僕たちもそれを全力で受け止めます。1次エントリー締切は6月8日まで。たくさんの方のエントリーをお待ちしています。

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仲真吾

入学と同時にコロナ禍に直面した大学生。
オンライン授業の中でも、たくさんのご縁のおかげで、現在は学生団体等で活動中。
趣味は音楽鑑賞と猫吸い。
好きなアーティストはBUMP OF CHICKEN。BUMP OF CHICKENとは、「隣で一緒に悩んで、一緒に楽しんで、一緒に苦しんで、隣に寄り添ってくれるバンド」

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