最近刺さった曲 / 文殊の知恵 vol.5

最近刺さった曲 / 文殊の知恵 vol.5

編集部員の三人が、いま気になるテーマについて話す「文殊の知恵」企画。

第五弾は、最近刺さった曲について話しました。

参加者

ナカノ:藤井風「特にない」

〈ナカノ的ポイント〉

身体に響く低音がビートを刻むけれど、力が入っていなくてリズムに「身を任してる」曲調。歌詞は、日本語と英語のパートが交互に登場し、「わたし」の中の会話が聞こえてくる。そのため、気づくとラフに口ずさんでいるけれど、突然歌詞の深みに気付く瞬間が訪れ、歌詞カードを追いながら聴きたくなってしまうやみつきの一曲。

モエコ:玉置浩二「サーチライト」

〈モエコ的ポイント〉
僕が立ち止まった時、必ず「君」は僕の「サーチライト」になってくれる。だから、生きていける。今度は僕も、「君」を照らせるような存在になれるかな。そんな偽りない気持ちが凝縮された一曲。
どんなに希望を持てなくても、いつでも「君」とこの歌詞だけは、僕を照らしてくれます。

フク:山崎まさよし「セロリ」

〈フク的ポイント〉

カップル間で価値観の相違があることをふまえて、サビでの「がんばってみるよ。やれるだけ、がんばってみてよ。」という歌詞が印象的な曲。

藤井風「特にない」

ナカノ:最近すごく刺さったのは、藤井風さんの「特にない」。「満たされてる」っていう歌詞が何度も出てくるのだけど、「満たされてる」のはどういう状況なんだろうって思った。藤井さんはだいたい私たちと同世代だし、いろんなことに貪欲になっているはずなのに、「満たされてる」って言えることがすごい。

もう一つ、この曲を聞いている人は日本人が多いと思うけど、英語が使われているパートの歌詞も見てみてほしいの。英語のパートが、日本語のパートの答えみたいになっていて。英語パートは、「いろいろなことを考えすぎたり、踏み外してしまいそうになったりしたとき、正しいほうに導いてくれる人がいる。それが愛だ。」ということだと解釈してる。

フク:恋愛の歌ということ?

ナカノ:愛だから、家族や友人でもいいと思う。

モエコ:ナカノはこういう境地に至りたいってこと?

ナカノ:んー、ちょっと違う。自分より成熟していて、尊敬できるなって思う。自分がそういうふうになりたいとは思えないんだけどね(笑)。少なくともJ-POPのルーキーが書く歌詞とは思えない内容だから驚いたのだけど、心からそう感じているから書けたんだよな、と思うと心に迫ってくる。

モエコ:ナカノがいつも言う、「自分を大切にしよう」という考え方にも通じてるかな。

ナカノ:そうかも!だけど逆に、「満たされてる、何も求めない」って、少し寂しい気もする。例えば、死ぬ直前の人が言うならわかるけど、これから人生を切り開いていく人が「特にない」って。

玉置浩二「サーチライト」

モエコ:玉置浩二さんの「サーチライト」はバラードなんだけど、高校生の時は「子守唄」として聴いてた。しばらく聞いてなかったけど、最近になって刺さったんです。「グサっ」じゃなくて、「じわーん」という刺さり方。最近何かとせかせか生きちゃいがちだけど、この曲を聴くと求めないというか色んなことから超越した境地に行けるんだよね。頑張れない自分さえ全肯定してくれている気がする。前までは、この歌詞に当てはめて言えば、「サーチライト」を探し求めてた。でも、照らしてもらう側だった僕が、自分が照らす側になりたいという方に転換していく。その転換が刺さるかな。

フク:「特にない」にも共通してそう。

ナカノ:サーチライトってなんなんだろう?

モエコ:灯台についている大きい照明だね。

フク:自分が照らす存在になりたいということか。

モエコ:「なりたい」というより、「なれるかな」、なのが良いんだよね。「サーチライトに、僕は、なれるかな」って。こちら側に強制してこない。今はサーチライトがほしいという状況から抜け出せたから、同じ心境になれたのかも。でも私が「必ず(誰かを)照らすサーチライト」になりたいかと言われれば、そういうわけでもないかも。でも「なりたい」といったほうが記事っぽいから「なりたい」!!

ナカノ:だめだめ。つじつま合わなくなるから。ここ面白いから入れたまま記事にしたいけどどうかな?

フク:(笑)。二人の曲が似ているから、そういうのが響くタイミングなのかな。

ナカノ:20歳の私たちは、いろいろとを求められることが多いよね。「あなたはなにができるの?」「私に何を与えてくれるの?」って。学生だから、就活とか、研究とか、人間関係とか。そんなことの連続。これって、大人になりかけているからこその悩みなのかな。

モエコ:自分本体じゃなくて、そこに付随するものを問われるフェーズに入ってきたのかな。

山崎まさよし「セロリ」

フク:私がこれを選んだ理由は、今までの話の流れと違うかも。お父さんが山崎を聴いてて私も昔から聴いてたんだ。昔は「Onemore time, Onemore chance」が好きだった。でも当時は、「セロリ」は共感できなくて好きじゃなかったんだよね。「がんばる」くらいなら、別れれば?って思ってた。でも最近すごく刺さったんだよね。この前付き合っている人と、結構すれちがうことがあって。自分の言ったことと、相手の受け取ったことが違ったりして。相手と価値観が違うことは当然で。でも、それでも一緒に居たいって思えたらそれでいいんじゃないかなと思った。

ナカノ:相手のためにがんばれることが愛だって、どこかの映画で聞いたな。でも、それってどうなんだろうと思ってた。エネルギーを使わずに、もっとナチュラルに愛せないのかなって。でもがんばると、がんばってないときに、がんばったことを思い出す。努力すること自体が素敵なことだし、その人のために努力している自分も好きって客観的に思えたら良いなって思う。結局、自分がしたくてしていることだから、素敵だなって思えた。

モエコ:この歌詞も素敵だけど、この歌詞に共感できるカップルも素敵だなって思った。性格を曲げてまで付き合う必要はないけどでも一緒に居たい。理屈や損得勘定抜きに一緒に居たいと思える人がいたら良いなって思う。100%マッチする人はいないから。

フク:そういうのって、友だちでもあるかな?

ナカノ:それもあると思うけど。でも恋愛ってなんか違くない?恋愛ってもっとピースのはまり方が複雑だから。そこについてくる努力ももっと自然で、複雑 で、特別なことな気がする。恋愛と友だちの違いみたいなところなのかな。恋愛って、何なん。

モエコ:どんどん曲の話じゃなくなってく笑。あれ?私たち曲の話してたよね。

フク:じゃあそれはまた次回の文殊の知恵企画で。

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フク

1999年生まれ、福島県出身。Instagram:nimekobe

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