積読している本 / 文殊の知恵 vol.6

積読している本 / 文殊の知恵 vol.6

編集部員がいま興味があるテーマについて話し合う「文殊の知恵」企画です。

第6弾は、気になっているけれどまだ読んでいない「積読している本」について話しました。つまり、読み込み自分の言葉で語るどころか、一行も読んでいない本たちの紹介文になります。本たちが、未読でも人を惹きつけるのはなぜなのでしょうか。

7月から編集部員となったすだちも初参加です。

参加者

モエコ:読書欲に駆られる時と、全く読めない時の落差が激しい。最近は短編ばかり読んでいる。

ナカノ:本は夜にお風呂や布団の中で読むのが好き。文学部生になってからは「読まなければいけない本」と「読みたい本」を、どうやって両立していくかが悩み。

フク:もっぱら図書館で借りる派なので、本棚に積読している本は少ない。返却日が来て読み切れずに返してしまった本は数多い。

スダチ:一度読み始めると一気に読んでしまいたくなるから、十分な時間がないと本が読めない。気になった本はメモしてる。

モエコの2冊

『読書について』ショウペンハウエル 著 (斉藤忍随 訳)

「読書は思索の代用品にすぎない」この言葉の真意を知るために原典にあたろうと購入した本。1ページ目を開いてみる。冒頭。「数量がいかに豊かでも、整理がついていなければ蔵書の効用はおぼつかなく、数量は乏しくても整理の完璧な蔵書であればすぐれた効果をおさめるが、知識のばあいも事情はまったく同様である」この本を積読しているとは、皮肉だ。

『人生論ノート』三木清

とにかく色々な文章で引用されることが多く、気になって購入。パラパラとページをめくってみると、どの一文を切り取っても格言として成立しそうなものばかりだ。目に留まったものひとつ。「孤独は山になく、街にある」。時間をかけて噛み締める価値のある一冊だろうと思う。だって人ひとりの「人生論」が詰まっているんだもの。

ナカノの2冊

『考えるヒント』 小林秀雄

受験勉強中に国語の出題で出会い、先日講義中に再会を果たしたため、これを逃せばもう会えない気がして購入。ゴッホ色の表紙と雑多な目次、そして秀逸さが香り立つタイトルにすでにやられている。きっと答えはもらえないんだろうな。だけどヒントはもらえるんだろうな。

『銃・病原菌・鉄』 ジャレド・ダイアモンド

コロナ禍冒頭あたりに話題になった一冊。おかげさまで病原菌は未だ身近なので、旬は過ぎないままに積読のベテランにもなりつつある。「なにかありそう!」積読への淡い期待とホコリが降り積もったこの本に、そろそろ手を付けてもいいのではないか。

フクの2冊

『大仏破壊』 高木徹

同じ歴史学科の先輩が引っ越しする時に、処分するのはもったいないからと譲り受けた本。大仏とは奈良の大仏のことかと思いきや、アフガニスタンのバーミアン大仏についてのようである。しかもノンフィクションらしい。いつかアフガニスタンに興味を持った時に読もうと思っている。

『アフターダーク』 村上春樹

近所の古本屋にて100円で手に入れた。知り合いによれば、村上春樹の作品の中で一番面白いらしい。他の村上作品を読み終わったら、最後に読もうと、本棚の中で熟成させている。

スダチの1冊

『珈琲の世界史』 旦部幸博

コーヒーと世界史が好きだからという単純な理由で購入した。冒頭10ページ程を読んだにも関わらず「時間がある時に読もう」リストに入ってしまった本。世界史系の本は情報量やカタカナが多くて頭がすっきりした状態じゃないと読み進めるのに苦労する。面白さとわかりやすさと程よい情報量の世界史と何かをミックスさせたちょうどいい本ないかな〜。

illustration : ナカノ

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フク

1999年生まれ、福島県出身。Instagram:nimekobe

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